- 2025-10-02 (木) 6:00
- お役立ちコラム
その中でも、近年注目されているのが「カテキン」です。
お茶やワインなどに含まれるこの成分は、私たちの体にとってどのような働きをするのでしょうか。
以下では、カテキンと活性酸素の関係、そしてそのメカニズムについて解説します。
カテキンとは
ポリフェノールの一種
カテキンは、植物に含まれるポリフェノールの一種です。
ポリフェノールは、植物が紫外線や病原菌から身を守るために作り出す抗酸化作用を持つ物質の総称といえます。
カテキンは、その中でも特に抗酸化作用が強いことで知られています。
また、フラボノイドという大きな分類にも属しており、自然界に広く存在しています。
さらに、その種類は数百種類以上にも及ぶといわれています。
抗酸化作用を持つ
カテキンは、強力な抗酸化作用を持ち、体内の細胞を酸化から守ります。
そのため、老化や病気の予防に役立つのです。
加えて、抗炎症作用や抗菌作用なども報告されており、健康への多様な効果が期待されています。
近年では、特定の疾患に対するカテキン類の有効性についても研究が進められています。
お茶やワインなどに含まれる
カテキンは、お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶など)、ワイン、カカオなどに豊富に含まれています。
私たちの身近な食品から摂取できるため、手軽に抗酸化作用を摂取できる点が魅力です。
例えば、日常的に緑茶を飲む習慣を取り入れることで、手軽にカテキンを摂取することができます。
また、カカオを多く含むダークチョコレートなども、カテキン摂取の選択肢となり得ます。
活性酸素とは何か?
体内で発生する不安定な分子
活性酸素は、体内で発生する不安定な分子です。
呼吸によって酸素を取り込む過程で、副産物として発生します。
本来は体内の細菌やウイルスを排除する働きを担うのですが、過剰に発生すると細胞を傷つける原因となります。
そのため、活性酸素は体にとって必要不可欠であると同時に、過剰になると有害となる両面性を持っています。
老化や病気の原因となる
過剰な活性酸素は、細胞の脂質やタンパク質、DNAを酸化させ、細胞を傷つけます。
この酸化ストレスが老化や様々な病気(動脈硬化、がん、糖尿病など)の発症リスクを高めると考えられています。
例えば、動脈硬化は血管が酸化することで進行し、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めます。
ストレスや紫外線で増加する
活性酸素の発生量は、ストレスや紫外線、喫煙、不規則な生活習慣などによって増加します。
これらの要因を減らすことで、活性酸素の増加を抑えることができます。
具体的には、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などを心がけることが重要です。
また、禁煙も活性酸素の増加を抑える有効な手段となります。
カテキンは活性酸素にどのように作用するのか?
抗酸化作用で活性酸素を除去
カテキンは、その強力な抗酸化作用によって、体内で過剰に発生した活性酸素を除去します。
具体的には、活性酸素と直接反応し、無害化する働きがあります。
この作用により、細胞の酸化を防ぎ、健康を維持する効果が期待できます。
活性酸素による細胞の損傷を防ぐ
活性酸素による細胞の損傷は、様々な病気の原因となります。
カテキンが活性酸素を除去することで、細胞の損傷を防ぎ、健康維持に貢献します。
例えば、動脈硬化、がん、糖尿病などの予防に役立つと考えられています。
カテキン種類ごとの活性酸素除去能力の違い
カテキンには、様々な種類が存在し、それぞれ活性酸素除去能力が異なります。
例えば、緑茶に多く含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、特に強い抗酸化作用を持つことで知られています。
一方で、他のカテキン類にもそれぞれ特有の作用があり、複数のカテキンを摂取することで相乗効果が期待できます。
カテキンによる活性酸素除去のメカニズム
活性酸素と直接反応して無害化
カテキンは、活性酸素と直接反応して、その有害な作用を無効化します。
この反応は、カテキンが持つフェノール性ヒドロキシル基によるものです。
そして、この反応によって活性酸素は安定した分子へと変化し、細胞への攻撃性を失います。
抗酸化酵素の働きをサポート
カテキンは、体内に存在する抗酸化酵素(スーパーオキシドディスムターゼなど)の働きをサポートすることで、間接的に活性酸素を除去する効果も持っています。
抗酸化酵素は、活性酸素を分解する酵素であり、カテキンはこの酵素の働きを活性化させることで、より効率的に活性酸素を除去することが可能となります。
相乗効果で抗酸化力を高める
複数のカテキンを同時に摂取することで、それらの抗酸化作用が相乗効果を発揮し、より高い抗酸化力を得られる場合があります。
例えば、緑茶には様々な種類のカテキンが含まれており、それらを同時に摂取することで、単一の種類を摂取するよりも高い抗酸化効果が期待できます。
様々なカテキンと活性酸素除去効果
エピガロカテキンガレート(EGCG)の高い抗酸化作用
緑茶に多く含まれるEGCGは、カテキンの中でも特に強力な抗酸化作用を持つことが知られています。
様々な研究において、EGCGの優れた活性酸素除去能力が示されています。
例えば、invitroの実験では、EGCGがスーパーオキシドやヒドロキシラジカルなどの活性酸素を効率的に除去することが確認されています。
エピカテキン(EC)の活性酸素除去への貢献
ECも緑茶などに含まれるカテキンの一種で、EGCGほどではありませんが、活性酸素除去に貢献する働きがあります。
ECは、EGCGと同様に活性酸素と直接反応することで、その有害な作用を抑制します。
また、ECは他のカテキン類と協調して働くことで、相乗効果を発揮する可能性も示唆されています。
カテキン類の相乗効果による抗酸化力増強
緑茶にはEGCG以外にも様々なカテキンが含まれており、それらが相互作用することで、より高い抗酸化力を発揮すると考えられています。
単一のカテキンよりも、様々な種類のカテキンを含む食品を摂取することで、より効果的な活性酸素除去が期待できます。
これは、異なるカテキンが異なるメカニズムで活性酸素に作用するためと考えられています。
まとめ
カテキンは、強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であり、体内で過剰に発生した活性酸素を除去することで、老化や病気の予防に役立ちます。
お茶やワインなどに豊富に含まれており、身近な食品から摂取できます。
様々な種類が存在し、それぞれに活性酸素除去能力が異なります。
しかし、複数のカテキンを摂取することで相乗効果が期待できるため、カテキンを豊富に含む食品を積極的に摂取することが、健康維持の有効な手段の一つと言えるでしょう。