- 2025-10-27 (月) 6:00
- お役立ちコラム
一口にお茶と言っても、その種類は様々で、それぞれに個性的な風味や特徴があります。
今回は、特に「不発酵茶」について、その定義から製造工程、種類、そして他の茶葉との違いや特徴を解説します。
不発酵茶とは
発酵させない茶葉のこと
お茶の製造工程において、茶葉を発酵させずに仕上げたものを不発酵茶と呼びます。
発酵とは、茶葉に含まれる酵素の働きによって茶葉の成分が変化する過程を指します。
そのため、不発酵茶は、この発酵過程を完全に抑えることで、茶葉本来の風味や成分を保っているといえます。
製造工程で発酵を止める
不発酵茶を作るためには、茶葉の摘採後すぐに発酵を止めるための処理を行います。
この処理は、茶葉に含まれる酸化酵素の働きを抑制することが目的です。
さらに、この工程が不発酵茶の風味を決定づける重要な要素となります。
酸化酵素の働きを抑制することで、茶葉本来の爽やかな風味を保つことができるのです。
緑茶が代表例
私たちが普段口にする緑茶は、代表的な不発酵茶です。
また、その他にも煎茶や玉露、抹茶なども不発酵茶に分類されます。
これらの不発酵茶は、それぞれ異なる製造方法や栽培方法によって、多様な風味や香りを持ちます。
例えば、玉露は旨みが強く、抹茶は濃厚な味わいが特徴です。
不発酵茶の製造工程とは?
摘採後すぐに加熱処理を行う
不発酵茶の製造工程は、茶葉の摘採後、速やかに加熱処理を行うことから始まります。
この加熱処理によって、茶葉中の酵素の働きを抑制し、発酵を防止します。
この工程は「殺青」と呼ばれ、不発酵茶を作る上で非常に重要な工程です。
蒸す炒る焼くなどの方法で加熱する
加熱処理の方法には、蒸す、炒る、焼くなど様々な方法があり、それぞれが茶葉の風味や色などに影響を与えます。
例えば、蒸した茶葉はより鮮やかな緑色を保ち、炒った茶葉は香ばしい香りが特徴的です。
また、焼くことで独特のスモーキーな香りが生まれることもあります。
それぞれの加熱方法によって、個性的なお茶が生まれるのです。
酸化酵素の働きを止める
加熱処理の目的は、茶葉に含まれる酸化酵素の働きを完全に止めることです。
この酵素が活発に働くことで、茶葉の発酵が進み、紅茶のような色や風味になってしまいます。
一方で、不発酵茶では、この酵素の働きを完全に抑えることで、緑色の水色と爽やかな風味を保つことができます。
これにより、不発酵茶特有の爽やかさが生まれるのです。
不発酵茶の種類とは?
日本茶の多くが該当する
日本茶の多くは不発酵茶に分類されます。
私たちの生活に身近な飲み物であるだけに、不発酵茶の代表例として認識しやすいでしょう。
日本茶は、その繊細な風味や香りから、世界中で愛飲されています。
玉露煎茶抹茶など
具体的な種類としては、高級茶として知られる玉露や、広く親しまれている煎茶、そして独特の製法を持つ抹茶などが挙げられます。
これらは全て、発酵をさせずに製造された不発酵茶です。
また、番茶やほうじ茶なども不発酵茶に含まれます。
それぞれに特徴的な風味や香りがあり、様々な楽しみ方ができます。
産地や製法で風味に違いが生まれる
同じ不発酵茶であっても、産地や製造方法によって、風味や色、香りなどに違いが生じます。
例えば、茶葉の種類や栽培環境、加工方法などが、最終的なお茶の品質に大きく影響を与えます。
そのため、多様な風味を楽しむことができるのです。
同じ煎茶でも、産地によって味わいが大きく異なる場合があります。
不発酵茶と他の茶葉の違いとは?
発酵度の違いで分類される
お茶の種類は、主に発酵の度合いによって分類されます。
不発酵茶はその名の通り、発酵させていないお茶です。
発酵の度合いによって、お茶の風味や特徴は大きく変化します。
烏龍茶は半発酵茶
烏龍茶は、不発酵茶と紅茶の中間的な存在である半発酵茶に分類されます。
部分的に発酵させることで、独特の風味を生み出しています。
烏龍茶は、発酵度合いによって様々な種類があり、それぞれ異なる味わいを楽しむことができます。
紅茶は発酵茶
紅茶は、完全に発酵させた茶葉から作られます。
そのため、不発酵茶とは全く異なる色、香り、風味を持っています。
紅茶は、世界中で広く愛飲されているお茶の一つです。
その深い紅色と芳醇な香りが特徴です。
不発酵茶の特徴とは?
緑色の水色
不発酵茶は、発酵させていないため、鮮やかな緑色の水色をしています。
これは、茶葉に含まれるクロロフィルという色素が、発酵によって変化していないためです。
この緑色は、不発酵茶の大きな特徴の一つです。
爽やかで渋みのある味
味わいは、爽やかで渋みのあるものが多く、すっきりとした後味が特徴です。
これは、茶葉の持つ本来の成分が、発酵によって変化していないためです。
この爽やかな渋みは、不発酵茶特有のものです。
新鮮な香り
また、新鮮な香りも特徴の一つです。
これは、発酵によって香りが変化していないため、茶葉本来の香りがそのまま楽しめるためです。
この新鮮な香りは、不発酵茶の魅力を高めています。
まとめ
今回は、不発酵茶について、その定義、製造工程、種類、そして他の茶葉との違いや特徴を解説しました。
不発酵茶は、発酵させないことで、茶葉本来の風味や成分を保ったお茶であり、緑茶、玉露、煎茶、抹茶などが代表的な種類です。
また、他の茶葉と比較して、緑色の水色、爽やかで渋みのある味、新鮮な香りが特徴です。
様々な種類があり、産地や製法の違いによって風味も変化するため、お茶選びの幅が広がるでしょう。
不発酵茶は、その爽やかな味わいと香りで、多くの人々に愛されています。


















































