- 2026-01-04 (日) 6:00
- お役立ちコラム

茶碗に注がれた抹茶の表面を覆う、艶やかな緑色の泡。
その一口は、味わいだけでなく、見た目の美しさからも心を和ませてくれます。
この泡は単なる装飾ではなく、抹茶の持つ鮮度や品質、そしてそれを点てる人の技術を映し出す鏡のような存在です。
どのような泡が理想とされ、どのようにすればそれを引き出すことができるのか、その秘密に迫ってみましょう。
奥深い抹茶の世界をさらに豊かにする、泡の神秘を解き明かす旅が始まります。
お茶を点てる際の泡にはどんな意味がある?
泡は抹茶の鮮度と品質の証
抹茶の表面に生まれる泡は、その鮮度と品質を如実に示す指標となります。
新鮮で質の高い抹茶ほど、きめ細かくクリーミーな泡が立ちやすく、かつ長時間持続する傾向があります。
これは、抹茶の葉に含まれるタンパク質やアミノ酸などの成分が、適切に空気を抱き込むことで形成されるためです。
特に、挽きたての新鮮な抹茶は、成分が活きているため、茶筅で掻き混ぜた際に繊細な泡を豊かに生み出します。
逆に、鮮度が落ちていたり、品質が低い抹茶の場合、泡立ちが悪くなったり、粗くすぐに消えてしまうことが多く見られます。
そのため、美しい泡は、まさにその抹茶が持つポテンシャルを最大限に引き出せている証拠と言えるでしょう。
きめ細かい泡が生まれる抹茶の点て方
きめ細やかでクリーミーな泡を抹茶に生み出すためには、いくつかの重要なプロセスと技術が存在します。
まず、茶碗に抹茶を適量(一人分ならティースプーン1~2杯程度)入れ、少量のぬるま湯(茶筅で混ぜるのに適した量)を加えます。
この際、抹茶と湯を茶筅でゆっくりと練るように混ぜ合わせ、ダマをなくし、滑らかなペースト状にすることが肝要です。
この下準備により、抹茶の粒子が均一に分散し、その後の泡立ちが格段に良くなります。
次に、茶筅を茶碗の底に軽く触れさせる程度にし、手首のスナップを効かせながら、茶碗の縁をなぞるように、あるいは「M」字や「W」字を描くように、リズミカルかつ素早く掻き混ぜていきます。
この動作により、抹茶と湯の中に効率的に空気が含まれ、きめ細やかな泡が次第に表面を覆っていきます。
泡が少ない場合の抹茶の評価
抹茶を点てた際に泡がほとんどできなかったり、粗くすぐに消えてしまう場合、いくつかの要因が考えられます。
最も一般的なのは、抹茶自体の鮮度や品質が低下している可能性です。
古い抹茶や保存状態が悪かった抹茶は、泡立ちに必要な成分が失われているため、きめ細やかな泡を形成することが難しくなります。
また、点て方の技術的な問題も大きく影響します。
茶筅の動かし方が不十分であったり、水温や水の量が適切でなかったりすると、十分な空気を含ませることができず、泡が少なくなることがあります。
ただし、泡が少ないからといって必ずしもその抹茶がまずいとは限りません。
しかし、本来抹茶が持つ芳醇な香りとまろやかな口当たりを最大限に楽しむためには、ある程度の泡立ちがあった方が望ましいと言えるでしょう。

美味しい抹茶の泡を点てるコツ
茶筅の動かし方で泡立ちが変わる
抹茶を美味しく点てる上で、茶筅の動かし方は泡立ちを左右する最も重要な要素の一つです。
効果的な泡を生み出すためには、茶筅の穂先を茶碗の底に強く押し付けすぎないことが大切です。
穂先が底についたままでは、抹茶を掻き混ぜるというよりは擦り付けるような動きになり、十分な空気が含まれません。
理想的なのは、茶筅の穂先を茶碗の底からわずかに浮かせた状態で、手首の力を抜いてリズミカルに動かすことです。
具体的には、茶碗の底から約1~2cm浮かせた位置で、素早く「M」字や「W」字を描くように、あるいは茶碗の縁をなぞるように掻き回します。
この時、力任せに動かすのではなく、手首を柔らかく使い、茶筅が水面を滑るような感覚で、抹茶の粉を細かく砕きながら空気を含ませていくイメージを持つと、きめ細やかな泡が自然と立ち上がってきます。
水の量と温度で泡の質が決まる
美味しい抹茶の泡を安定して作るためには、使用する水の量と温度の調整が不可欠です。
まず、水の量についてですが、少なすぎると抹茶が濃すぎてダマになりやすく、泡立ちも悪くなります。
逆に多すぎると、抹茶の濃度が薄まり、きめ細やかな泡を維持することが難しくなります。
一般的には、抹茶一人分(約1.5~2g)に対して、約60~70ml程度の湯が適量とされています。
次に、水の温度も泡の質に大きく影響します。
熱すぎる湯(80℃以上)を使うと、抹茶の繊細な風味が損なわれ、苦味や渋みが強く出やすくなるだけでなく、泡が粗くなり、すぐに消えてしまう原因にもなります。
逆に、ぬるすぎる湯(60℃以下)では、抹茶が溶けにくく、泡立ちも悪くなります。
したがって、一般的に70℃~80℃程度のぬるま湯を使用するのが最適とされており、この温度帯が抹茶の旨味を引き出し、きめ細やかな泡を生成するのに最も適しています。
初心者でも成功しやすい抹茶の点て方
抹茶を点てるのが初めての方でも、いくつかのポイントを押さえることで、驚くほど簡単に美味しい泡立ちの抹茶を楽しむことができます。
まず、茶碗に抹茶を入れる前に、茶こしなどで一度ふるっておくことを強くお勧めします。
これにより、抹茶のダマを防ぎ、滑らかな溶け具合と均一な泡立ちを助けます。
次に、茶碗に抹茶を入れたら、いきなり大量の湯を注ぐのではなく、まず大さじ1~2杯程度のぬるま湯(70~80℃)を加え、茶筅でペースト状になるまでよく練り混ぜます。
この工程が、後の泡立ちを格段に良くする秘訣です。
ペースト状になったら、残りの湯を少しずつ加えながら、茶筅を茶碗の底から少し浮かせて、手首を柔らかく使い「M」字や「W」字を描くように素早く掻き回します。
最後に、茶筅を茶碗の中央に引き上げ、静かに静止させることで、表面の大きな泡が消え、きめ細やかな泡だけが残ります。
この手順で、どなたでも美しい抹茶の泡を点てることができるでしょう。

まとめ
抹茶を点てた際に生まれる泡は、その鮮度や品質を示す大切な目安であり、見た目の美しさだけでなく、味わいや口当たりにも深く関わっています。きめ細かく持続する泡は、良質な抹茶を適切に点てられた証と言えるでしょう。
その理想的な泡を生み出すためには、茶筅の繊細な動かし方、適温・適量の水の調整が鍵となります。
特に、抹茶を練ってから素早く掻き回すこと、茶筅を茶碗の底に強くつけないように注意することが重要です。
これらのコツを掴めば、初心者の方でも美味しい抹茶の泡を点て、より深い抹茶体験を味わうことができます。














































