- 2026-02-05 (木) 6:00
- お役立ちコラム

日本茶の中でも最高級とされる玉露。
その名は、濃厚な旨味と奥深い甘み、そして独特の香りを連想させます。
この特別な味わいは、茶葉が育つ環境から生まれる成分のバランスによってもたらされます。
では、この至高のお茶が持つポテンシャルを最大限に引き出し、その真価を堪能するにはどうすれば良いのでしょうか。
茶葉本来の風味を活かすための、具体的な方法を探っていきましょう。
玉露の旨味を最大にするには
低温でじっくり抽出する
玉露の旨味を最大限に引き出すには、お湯の温度と抽出時間が鍵となります。
一般的に、50〜60℃程度の比較的低い温度のお湯を使用し、2分から2分半ほどかけてじっくりと抽出することが推奨されます。
高温のお湯は、旨味成分よりも渋みや苦味の成分を多く引き出してしまうため、玉露の繊細な味わいを損なう可能性があります。
お湯を湯呑みに注いで適温まで冷ます「湯冷まし」を活用すると、温度調整が容易になります。
また、茶葉はやや多めに使用し、抽出後は最後の一滴までしっかりと注ぎ切ることで、凝縮された旨味を逃さず味わうことができます。
温度を変えて味の変化を楽しむ
玉露は、一煎目だけでなく、二煎目、三煎目と淹れるたびに異なる風味の表情を見せてくれます。
一煎目で濃厚な旨味を堪能した後は、二煎目では少し温度を上げた70℃前後のお湯で、抽出時間を30秒程度と短めに設定します。
これにより、一煎目とは異なる、爽やかな香りとほのかな渋みが引き出されます。
さらに三煎目では、80℃程度まで温度を上げることで、煎茶に近いすっきりとした味わいを楽しむことも可能です。
このように、お湯の温度を段階的に変化させることで、一杯の茶葉から多様な味の移ろいを最後まで堪能することができます。
水出しでクリアな味を出す
暑い季節には、水出しで玉露を淹れるのもおすすめです。
低温の水で時間をかけて抽出する方法は、玉露の旨味成分であるテアニンを豊富に引き出しつつ、渋みや苦味の原因となるカテキンやカフェインの抽出を抑える効果があります。
その結果、渋みがほとんどない、玉露本来の甘くまろやかな味わいを、よりクリアな後味で楽しむことができます。
作り方は簡単で、ポットに茶葉と冷水を入れ、冷蔵庫で数時間置くだけです。
すっきりとした味わいは、夏の喉を潤すのに最適です。

玉露の旨味を引き出す方法
被覆栽培でテアニンを増やす
玉露が持つ独特な旨味と甘みは、その特別な栽培方法によって生み出されます。
収穫前の約20日間、茶園に覆いをかけ、日光を遮る「被覆栽培」を行うことで、茶葉内部の成分が変化します。
日光を制限することで光合成が抑えられ、旨味成分であるテアニンの生成が促進される一方、渋み成分であるカテキンの生成は抑制されます。
この手間のかかる栽培方法が、玉露の希少性と、他のお茶にはない濃厚な旨味の源となっています。
テアニンが旨味の主成分
玉露の味わいの根幹をなすのは、アミノ酸の一種であるテアニンです。
このテアニンは、玉露のとろりとした甘みと濃厚な旨味の主役であり、口にした際に広がる深いコクの源です。
被覆栽培によって、茶葉はこのテアニンを豊富に蓄積します。
テアニンは、脳内でリラックス効果をもたらすアルファ波を増加させることが知られており、心を落ち着かせ、緊張を和らげる効果も期待できます。
玉露のまろやかな風味は、このテアニンが豊富に含まれることによって実現されています。
渋み成分を抑える
玉露の魅力の一つは、その渋みの少なさにあります。
これは、被覆栽培によって光合成が抑制されることで、渋み成分であるカテキンの生成が抑えられるためです。
一方で、旨味成分であるテアニンは豊富に含まれるため、結果として渋みが少なく、まろやかで深いコクのある味わいが生まれます。
さらに、テアニンはカフェインの覚醒作用を穏やかにする働きも持つため、玉露は心地よいリラックス感と澄んだ意識状態を両立させることができるのです。

まとめ
日本茶の最高級品とされる玉露は、収穫前の約20日間、日光を遮る「被覆栽培」によってその特別な風味を生み出します。この栽培法により、旨味成分であるテアニンが豊富に蓄積され、渋み成分カテキンが抑制されることで、濃厚な旨味と甘み、そして独特の「覆い香」が生まれます。
この至高の味わいを最大限に引き出すには、50〜60℃の低温でじっくりと抽出することが秘訣です。
二煎目以降は温度を上げ、水出しでも楽しむことで、玉露の持つ多様な味の表情を堪能できるでしょう。














































