- 2025-12-22 (月) 6:00
- お役立ちコラム

茶道のお茶会や稽古に招かれた際、その場にふさわしい装いとはどのようなものか、迷われる方もいらっしゃるかもしれません。
伝統文化である茶道の世界では、招かれた側も心を込めて準備をすることが大切です。
和装の場合、男女で装いや小物の選び方が異なるのか、洋装で参加する際はどのような点に注意すべきか、あるいはアクセサリーや香水といった細かな装飾品に関するマナーなど、知っておきたい基本や、つい迷いがちなポイントを解説していきます。
今回は、茶道の席で失礼なく、かつ自信を持って参加できる服装選びの秘訣をご紹介します。
茶道をする際の服装選びで意識すべき基本的マナー
和装は男女で着物や小物の選び方が異なる
茶道のお茶会に和装で臨む場合、男性と女性では着物や小物の選び方に違いがあります。男性の場合、紋付羽織袴はやや改まった印象が強すぎるため、普段着として着られることの多い紬や小紋といった、落ち着いた無地の着物や、控えめな柄の着物が適しています。
羽織はあってもなくても構いませんが、着用する場合は無地のものが基本となります。
帯は角帯が一般的で、着付けの際には伊達締めは使用しません。
足元は、白足袋を着用するのが正式な装いです。
一方、女性の場合は、訪問着や付け下げ、色無地といった、やや改まった印象のある着物が一般的ですが、未婚・既婚を問わず、華美になりすぎない落ち着いた色合いや柄を選ぶことが重要です。
帯は名古屋帯や袋帯を用い、帯締めや帯揚げは、着物や帯との調和を考えながら、品の良いものを選びましょう。
重ね襟や半襟は、白や淡い色など、無難な色や素材を選ぶのが基本です。
帯留めを使用する場合は、小ぶりで上品なデザインのものを選び、華美になりすぎないように注意が必要です。
こちらも足元は白足袋を着用します。
男女ともに、季節に合わせた素材(単衣や袷など)や柄を選ぶことも、より丁寧な装いにつながります。
洋装は落ち着いた色合いと丈感が重要
茶道のお茶会へ洋装で参加する場合も、和装と同様に、その場の雰囲気を壊さない落ち着いた装いが求められます。男性は、ダークスーツやジャケットにスラックスといった、ビジネスシーンでも通用するような、フォーマルすぎずカジュアルすぎない服装が基本となります。
ネクタイを着用する場合は、派手な色柄は避け、無地か控えめなレジメンタル柄など、落ち着いたものを選びましょう。
シャツは、清潔感のある白や淡いブルーなどの無地が望ましいです。
女性の場合も、ワンピース、アンサンブル、あるいはセットアップのスーツなどが適しています。
服装の色は、ベージュ、グレー、ネイビー、黒といった、ベーシックで落ち着いた色合いを選ぶのが基本です。
スカート丈については、膝が隠れる程度の長さが目安となり、あまりにも短いスカートや、逆に長すぎて床に引きずるような丈は避けるべきです。
また、ノースリーブや深いVネックなど、過度に露出の多いデザインは避け、上品な印象を心がけましょう。
男女ともに、ジーンズやTシャツ、スニーカーといったラフすぎる素材やアイテムは、茶道の場にはふさわしくありません。

茶道のお茶会で迷いがちな服装のポイントとは?
アクセサリーや香水は控えるのが基本
茶道は、お茶の風味や茶室の静寂、そして茶道具の趣を静かに味わうための時間であり、それらを邪魔するような要素は極力避けるべきです。そのため、強い香りの香水はもちろんのこと、香りの強い柔軟剤や整髪料の使用も控えるのがマナーとされています。
また、アクセサリーについても、お茶碗を拝見する際に傷つけたり、茶碗を持つ手に当たって音を立てたりする可能性があるため、基本的には着用しないのが望ましいです。
結婚指輪など、どうしても外せないもの以外は、パールの一連ネックレスや小ぶりのイヤリング・ピアス程度に留めるか、着用しないことをお勧めします。
季節感やTPOに合わせた装いを心がける
茶道は、古来より季節の移ろいを感じながら行われる文化であり、お茶会や稽古の装いにも、さりげなく季節感を取り入れることが望ましいとされています。例えば、夏であれば絽や麻といった涼やかな素材の着物や、涼しげな色合いの洋服を選び、冬であればウールなどの温かみのある素材や、暖色系の色合いを取り入れるなど、素材や色で季節感を表現すると、より風情が増します。
また、TPOに合わせた服装を心がえることも重要です。
お茶会が、初心者向けの気軽な体験会なのか、それとも本格的な茶会なのか、あるいはどのような方が主催されているのかといった、その場の目的や格式を把握し、それにふさわしい服装の格を判断することが求められます。
足元や清潔感にも配慮する
茶道のお茶会においては、服装の全体的な印象だけでなく、足元や身だしなみ全体の清潔感にも細心の注意を払う必要があります。和装の場合は白足袋、洋装の場合は靴下やストッキングに、穴が開いていたり、伝線していたりしないかを、事前にしっかりと確認しておきましょう。
靴は、スニーカーやサンダル、華美な装飾のついたものなどは避け、革靴やシンプルなパンプスなど、落ち着いたデザインのものを選ぶのが一般的です。
服装全体についても、アイロンがけがされており、シワが寄っていないか、目立つ汚れが付いていないかなど、清潔感があるかどうかは非常に重要なポイントです。
髪型を整え、爪を清潔に保ち、ハンカチを携帯するなど、細部にわたる配慮が、相手への敬意を示すことにもつながります。

まとめ
茶道のお茶会や稽古に参加する際の服装は、和装であれ洋装であれ、その場の雰囲気を尊重し、亭主や他の参加者への配慮を示すことが最も大切です。和装の場合は着物や小物の選び方に男女差があり、洋装の場合は落ち着いた色合いと適切な丈感が求められます。
アクセサリーや香水は控えめにし、季節感やTPOを意識した装いを心がけましょう。
そして、足元を含めた全体の清潔感を保つことが、失礼なく、そして心からお茶会を楽しむための基本となります。
これらの点を踏まえ、お茶会に参加してください。
















































