- 2025-12-27 (土) 6:00
- お役立ちコラム

暑い季節でもすっきりと楽しめる水出し緑茶は、その爽やかな味わいだけでなく、健康維持に役立つ成分を豊富に含んでいます。
特に注目されるカテキン類は、私たちの体にとって様々な恩恵をもたらすことが知られており、その恩恵を最大限に享受するためには、お茶の淹れ方に工夫を凝らすことが重要です。
今回は、水出し緑茶の特性を活かし、カテキンを効率よく引き出すための具体的な方法について、温度、時間、そして使用する茶葉や水に焦点を当てて解説していきます。
水出し緑茶でカテキン抽出率を最大化する温度と時間
カテキン総量を増やす温度と時間
カテキンは水に溶けやすい成分であり、温度が低いほどゆっくりと、しかし長時間かけて抽出することで、苦味や渋み成分であるタンニン類、特にEGCGの溶出を抑えつつ、カテキン総量を効率的に引き出すことが可能です。一般的に、冷蔵庫内の4℃程度の低温で8時間から12時間程度かけてじっくり抽出する方法が、カテキンの総量を高め、かつすっきりとした味わいを実現するのに適しています。
20℃前後でも数時間で十分なカテキンが抽出されますが、温度が上がるにつれて苦味成分も出やすくなるため、抽出時間とのバランスを見ながら調整することが重要であり、低温で長時間抽出する方が、より多くのカテキンを穏やかに引き出せると言えます。
EGCをEGCGの2倍以上にする温度と時間
緑茶に含まれる主要なカテキンには、EGCやEGCGなどがありますが、水出し、特に低温で長時間抽出を行うことで、苦味や渋みの原因となりやすいEGCGよりも、比較的マイルドな味わいのEGCが多く抽出される傾向があります。研究によると、4℃で12時間抽出した場合、EGCがEGCGの2倍以上の比率で抽出されることが示されており、これにより、爽やかな風味を保ちながら健康効果の高いカテキンを効率的に摂取することが可能になります。
一方、高温で短時間抽出するとEGCGの比率が高まり、渋みが強くなるため、EGCを重視する場合は低温・長時間抽出が効果的であり、この条件設定がEGCの優位性を確立する鍵となります。

カテキン抽出率を高めるための茶葉と水の選び方
カテキンが多い茶葉の選び方
カテキン含有量は、一般的に新芽である一番茶に多く含まれる傾向があり、中でも玉露や濃厚な味わいの深蒸し煎茶、かぶせ茶などは、カテキン量が比較的多い品種や製法で作られていることが多いです。茶葉の色が濃く、鮮やかな緑色をしており、爽やかな香りがするものを選ぶのが良いでしょう。
また、栽培方法としては、被覆栽培されたお茶は、日光を調整することでテアニンが増え、カテキンとのバランスが良くなるとも言われています。
茶葉の形状が細かいほど成分は溶け出しやすくなりますが、水出しでは茶葉の旨味や香りをしっかり引き出すために、ある程度葉の形が残っているものを選ぶと、雑味が出にくくなるため、これらの要素を総合的に考慮して選ぶのがおすすめです。
カテキン抽出に適した水質
カテキンをはじめとするお茶の成分は、ミネラル分の少ない軟水で抽出する方が、よりスムーズに、そしてお茶本来の繊細な風味を引き出しやすいため、一般的に軟水が適しているとされています。日本の水道水の多くは軟水ですが、塩素の匂いが気になる場合は、一度沸騰させるか、浄水器を通した水を使用するのがおすすめです。
市販のミネラルウォーターを使用する場合は、硬度を確認し、軟水のものを選ぶと、よりクリアな味わいの水出し緑茶を楽しめます。
水質の違いは、カテキンの抽出効率だけでなく、お茶全体の味や香りに影響を与えるため、最適な水を選ぶことは、理想的な水出し緑茶を作る上で重要な要素となります。

まとめ
水出し緑茶でカテキン抽出率を最大化するには、温度と時間の管理が鍵となります。特に、4℃程度の低温で8時間以上かけてじっくり抽出することで、カテキン総量を増やしつつ、健康効果の高いEGCをEGCGの2倍以上という理想的な比率で引き出すことが可能です。
さらに、カテキンが豊富に含まれる茶葉を選び、ミネラル分の少ない軟水を使用することで、これらの条件の効果は一層高まります。
これらのポイントを押さえることで、風味豊かで健康効果も期待できる水出し緑茶を手軽に楽しむことができるでしょう。
















































