- 2025-12-28 (日) 6:00
- お役立ちコラム

日々の暮らしの中で、ふと一杯のお茶に癒やされるひとときは、かけがえのないものです。
特に、鮮やかな緑色と爽やかな香りが魅力の緑茶は、多くの人に愛されています。
しかし、せっかく淹れた緑茶も、時間が経つと色が変わったり、風味が損なわれたりすることがあります。
お茶を美味しく楽しむためには、その品質を保つ工夫が大切です。
今回は、緑茶の風味や色合いを損なう「酸化」に焦点を当て、そのメカニズムと、いつまでも美味しく緑茶を味わうための具体的な方法についてご紹介します。
緑茶の酸化を防ぐ方法
低温で持ち歩き酸化を遅らせる
緑茶の酸化は、温度が高いほど進行しやすくなります。
特に、保温機能のある水筒に温かい緑茶を入れると、熱によって酸化が促進されてしまうことがあります。
そのため、水筒に入れて持ち歩く際には、一度しっかりと冷ました緑茶を入れるか、氷をたくさん入れて冷たい状態を保つのがおすすめです。
冷たい状態を保つことで、酸化のスピードを遅らせ、風味の変化を最小限に抑えることができます。
水出しでおいしさを保つ
水出しで緑茶を淹れることも、酸化を防ぐ有効な方法の一つです。
緑茶に含まれるカテキンという成分は、お湯で淹れるとより多く抽出されますが、このカテキンが酸化の原因となることがあります。
水出しであれば、低温でゆっくりと成分が抽出されるため、カテキンなどの酸化しやすい成分の溶出量を抑えることができます。
結果として、苦みや渋みが少なく、旨味をより感じられる、すっきりとした味わいの緑茶になり、酸化による風味の劣化も遅らせることができます。
濃いめの緑茶を後で割る
水筒で緑茶を持ち運ぶ際に、味が薄まるのを防ぎつつ酸化を遅らせる工夫として、あらかじめ濃いめに緑茶を淹れておく方法があります。
濃いめに淹れた緑茶は、そのまま飲むと渋みや苦みが強く感じられることがあるかもしれませんが、飲む際に水やお湯で割ることで、好みの濃さに調整できます。
これにより、水筒に入れて持ち歩く間に多少薄まったり、酸化が進んだりしても、風味の低下をカバーしやすくなります。

緑茶が酸化するとどうなる
色が黄茶色に変わる
淹れたての緑茶が持つ鮮やかな緑色は、主に葉緑素であるクロロフィルによるものです。
しかし、このクロロフィルは熱や光、酸素に弱いため、熱や光、酸素に触れることで分解され、黄褐色を呈するフェオフィチンという物質に変化してしまいます。
また、緑茶に含まれるカテキンも酸化することで、赤茶色系の成分に変化することがあります。
これらの化学変化により、緑茶本来のきれいな緑色が失われ、黄茶色っぽく見えてしまうのです。
渋みが増し風味が落ちる
緑茶の味や香りを構成する様々な成分は、酸化によって変化します。
特に、緑茶の渋みや苦みの元となるカテキンは、酸化するとその構造が変化し、渋みや苦みが強くなることが知られています。
この変化により、緑茶特有の渋みや苦みが強くなり、飲みにくく感じられるようになります。
また、旨味成分であるテアニンなども酸化劣化を起こし、全体的な風味や香りが損なわれ、深みやコクが失われてしまうことがあります。

まとめ
緑茶の鮮やかな色合いや爽やかな風味は、多くの人に愛される魅力ですが、時間とともに変化してしまうことがあります。その主な原因は「酸化」であり、特に温度や光、酸素に触れることで、緑茶の色が黄茶色に変わったり、渋みが増して風味が落ちたりすることがあります。
これを防ぐためには、低温で持ち歩く、水出しで淹れる、濃いめに淹れて後で割る、といった工夫が有効です。
これらの方法を取り入れることで、外出先でも、また淹れてから時間が経った後でも、できるだけ美味しい状態の緑茶を楽しむことができるでしょう。
日々の生活で緑茶をより深く味わうための一助となれば幸いです。
















































